エンパグリフロジンのCKD患者に対する持続的心腎保護効果を確認:EMPA-KIDNEY
Long-Term Effects of Empagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease

カテゴリー
循環器、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
October 2024
Online first
開始ページ
Online first

背景

EMPA-KIDNEYは、SGLT2阻害薬エンパグリフロジンの慢性腎臓病(CKD)患者の心腎保護効果を結論したが、投与中止後の長期効果は。
イギリスUniversity of OxfordのHerringtonら(EMPA-KIDNEY)は、CKD患者6,609名をエンパグリフロジンまたはプラセボに割り付け、中央値2年間追跡した後、74%の参加者をさらに2年間追跡観察した。一次アウトカムは、試験期間の開始から試験後期間の終了までの腎臓疾患の進行または心血管死である。

結論

期間中の両群における非盲検SGLT2阻害薬の使用は同程度であった。エンパグリフロジンの一次アウトカム効果を認めた(HR 0.79)。試験後期間のみにおける一次アウトカムのHRは0.87であった。非心血管原因死に群間差はなかった。

評価

有効性が明確であったため、早期終結されたEMPA-KINDRAの、Boehringer Ingelheimファンドによる後続研究である。FDAはすでに昨年同薬のCKDに対する適応を承認しているが、ここでの長期効果の確認は、その有用性をさらに支持した。SGLT2 阻害薬の持続効果のメカニズムはまだ解明されていないが、著者らは、ネフロンの数の維持を認めた、としている。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)