スマートウォッチ ベースの非侵襲血糖モニタリングの血糖値推定精度が向上
Accuracy enhancement of metabolic index-based blood glucose estimation with a screening process for low-quality data
背景
糖尿病(DM)患者の血糖値(BGL)モニタリングのための、スマートウォッチ ベースの非侵襲血糖モニタリング(NIGM)技術の新手法が開発された。
日本Hamamatsu Photonics K.K.のNakazawaらによるもので、前処理段階で低品質データをフィルター処理し、代謝指数(MI)推定の精度を上げる、新しい信号品質指標を考案し、実装した。
健康な非DM成人男性1名の血糖値を市販のスマートウォッチと持続血糖モニターを使用して測定し、4ヵ月間のモニタリングと計30回の再現性テストを行った。
結論
このスクリーニング手法でデータを前処理し、スマートウォッチデバイスから取得したデータに適用することで、MIベースのBGLの推定精度が大幅に向上し、正しい治療決定につながる臨床的に正確な値を示した。
評価
重要なテーマで、ウェアラブル・ポータブルデバイスを使用した様々なNIGM技術が提案されているが、信号品質の悪さが根本問題である。ここでHamamatsu Photonicsが提案しているのは、同社が開発したNIGMであるMI法の精度改善のためのフィルタリング手法であり、スマートウオッチによるBGLモニタリングを臨床レベルに一歩近づけたものである。著者らは、さらなる進展のためには、光検出器のアクティブ領域の拡大と増幅回路のノイズ低減という、ハードレベルの改善が必要であると指摘している。