COVID-19入院患者に対するSGLT2阻害薬使用は無益:メタアナリシス
Sodium-glucose co-transporter-2 inhibitors for hospitalised patients with COVID-19: a prospective meta-analysis of randomised trials
背景
成人COVID-19入院患者に対し、ナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬が、その抗炎症作用と内皮保護作用の可能性から使用提案され、RCTが行われた。
イギリスUniversity of EdinburghのShankar-Hariら(REACT)は、同患者に対するSGLT2阻害薬の経口投与の効果を、通常治療またはプラセボと比較評価した3RCT(DARE-19・ACTIV-4a・RECOVERY; n=6096[T2D 25%])のメタアナリシスを行った。一次アウトカムは、28日間の全死亡、一次安全性アウトカムは、28日以内のケトアシドーシスである。
結論
一次アウトカムに群間差はなかった(summary OR 0.93)。バイアスリスクは低かった。一次安全性アウトカムは、SGLT2阻害薬群の7名と通常治療またはプラセボ群の2名で発生した。
評価
慢性疾患患者の一般的死亡リスク低減効果が示唆されるSGLT2阻害薬は、COVID-19急性期の潜在的治療薬として評価されたが、メタアナリシスは、この効果を否定した。著者らは逆に、ここでの安全性アウトカムから、SGLT2阻害薬を使用中に急性疾患に罹患した慢性疾患患者は、SGLT2阻害薬を中断しなくてもよい、という面白い仮説を示唆している。