アリロクマブのMACEリスク低減効果はDM患者でより顕著?
Effects of alirocumab on cardiovascular and metabolic outcomes after acute coronary syndrome in patients with or without diabetes: a prespecified analysis of the ODYSSEY OUTCOMES randomised controlled trial
背景
ODYSSEY OUTCOMESは、スタチン併用下でのアリロクマブのACS(急性冠症候群)後心血管イベント再発リスク低下を示した。同試験のRayら(Imperial College London)は、DM患者に対するその効果の解析結果を発表している。一次エンドポイントは、冠性心疾患死・非致死的MI・虚血性脳卒中・不安定狭心症入院の複合である。
結論
参加者中DM患者は28.8%であった。DM患者における同薬の一次エンドポイントの絶対差は、非DM患者の場合より有意に大きかった(DM 2.3% vs. 境界型 1.2% vs. 正常血糖 1.2%)。
評価
エボロクマブに関するFOURIERではこのような効果は報告されておらず(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28927706)、PCSK9阻害薬のクラス効果とはみられない。効果の確認と作用機序の検討が必要となろう。