脳卒中後の体温管理デバイス、発熱は減らすも臨床アウトカムには効果なし
Fever Prevention in Patients With Acute Vascular Brain Injury: The INTREPID Randomized Clinical Trial
背景
発熱は脳卒中後の患者でしばしば発生し、予後の悪化と関連しているが、発熱をターゲットとした予防的介入が予後を改善するかは明らかではない。
アメリカBoston Medical CenterのGreerらは、世界7ヵ国43の集中治療室で、脳卒中を有する重症患者を登録し、最大14日間の自動体表冷却デバイスによる体温管理(目標体温37.0 °C)、または38 °C以上の発熱時に標準ケアへと割り付け、1日の平均発熱負荷(37.9 °C以上の体温時間曲線下面積を時間で割ったもの、一次アウトカム)およびその他の機能的アウトカムを比較するRCT、INTREPID試験を実施した(n=686)。
結論
虚血性脳卒中患者が254名、頭蓋内出血患者が223名、くも膜下出血患者が200名含まれた。9名はランダム化されなかった。
平均発熱負荷は介入群で0.37 °C、対照群で0.73 °Cと、介入群で低下しており、すべての脳卒中サブタイプで群間差が認められた。
3ヵ月後の機能的回復(修正ランキンスケール)は、両群とも中央値4.0で差がなかった(オッズ比 1.09)。
主要な有害事象は、介入群の82.2%、対照群の75.9%で発生した。
評価
発熱は、脳卒中後の二次侵襲の原因と目されていたが、これまで予防的な体温管理介入は効果を示せていない。
この試験でも、一次アウトカムに設定された発熱負荷については、体表温度管理デバイスにより軽減したものの、機能的予後には影響しなかった。