COVID-19感染後の小児はT2D新規発症が増える
SARS-CoV-2 Infection and New-Onset Type 2 Diabetes Among Pediatric Patients, 2020 to 2022
背景
成人では、COVID-19診断後に2型糖尿病(T2D)の新規診断が増加することが認められているが、小児では。
アメリカCase Western Reserve UniversityのMillerらは、2020年1月〜2022年12月にSARS-CoV-2または他の呼吸器病原体(ORI)に感染したDM既往歴のない10〜19歳の患者613,602名の電子カルテを使用して、感染後1・3・6ヵ月のT2DM発症率を分析した。
結論
T2DM新規発症リスクは、COVID-19診断後1・3・6ヵ月までの間、ORIのマッチしたコホートと比較して有意に増加した(リスク比[RR]: 各1.55・1.48・1.58)。男児と女児のリスクは同程度であった。
同様の結果は、過体重・肥満の患者(1・3・6ヵ月後のRR 2.07・2.00・2.27)および入院患者(RR 3.10、2.74、2.62)でも確認された。感染後1ヵ月までに診断された患者を除外した後、感染後3ヵ月と6ヵ月で同様のリスク上昇がみられた。
評価
糖尿病リスクの上昇は、COVID-19パンデミック期の主要トピックの一つで、すでに450万症例を含むメタアナリシスが、年齢不関の関連を認めている(https://www.nature.com/articles/s41598-022-24185-7)。この論文は、大規模な遡及的観察研究で、T2Dに限定して小児でのリスク増を確認したものである。ただし、著者らはCOVID-19後の抗β細胞抗体の発現の報告にも注目しており、糖尿病の病型別リスク差は明らかでない。