小児の骨・関節感染症、経口抗菌薬は静脈投与に劣らない
Oral versus intravenous empirical antibiotics in children and adolescents with uncomplicated bone and joint infections: a nationwide, randomised, controlled, non-inferiority trial in Denmark
背景
骨・関節感染症(BJI)において抗菌薬の経口投与と静注投与を比較したランダム化比較試験はこれまで存在しなかった。
デンマークCopenhagen University HospitalのNielsenらは、同国17ヵ所の小児科を受診した、3ヵ月から17歳のBJI疑い患者(n=248)を、経口抗菌薬(5歳未満ではアモキシシリンとクラブラン酸、5歳以上ではジクロキサシリン)または静注抗菌薬(セフトリアキソン)による治療へと割り付け、6ヵ月後の後遺症(骨・関節の可動域・機能の異常)についての経口抗菌薬の非劣性を検討するランダム化非劣性試験を実施した。
結論
経口群・静注群とも6ヵ月後の後遺症は1件も発生しなかった。
ランダム化後に手術が必要となったのは、経口群で9.8%(12/123名)、静注群で5.6%(7/125名)であった(リスク差4.2%, 非有意)。重篤な合併症は認められず、有害事象の発生率は両群同等であった。
評価
重症でない小児BIJの後遺症リスクは、抗菌薬の投与経路によらず、極めて低かった。安全で、患者の負担の少ない経口投与を考慮すべきである。