ドイツリアルワールドデータは「80歳以上の降圧目標140/90 mmHgは危険」
Control of blood pressure and risk of mortality in a cohort of older adults: the Berlin Initiative Study
背景
高齢者の降圧目標として140/90 mmHg以下は適切か。ドイツCharite-Universitatsmedizin BerlinのDourosらは、Berlin Initiative Studyのデータ(n=1,628、平均年齢81歳)を解析した。
結論
8,853人年のフォローアップで、469名が死亡した。140/90 mmHg以下の場合の全死因死亡リスクは、高血圧の場合より高かった(HR:1.26)。さらに、80歳以上(HR:1.40)・心血管疾患既往(HR:1.61)ではより高リスクだった。他方、70〜79歳(HR:0.83)・心血管疾患既往なし(HR:1.16)では、リスクは減るか同等だった。
評価
2017 ACC・AHAの降圧基準 SBP<130 mmHgは論争的で、ESC/ESHはSBP<140基準を採用している。高齢者に関しては、RCTでそれでよいというデータがあるが、このドイツリアルワールドデータは「80歳以上では危険」ということになった。しばらくは収束は難しそうである。