ドイツリアルワールドデータは「80歳以上の降圧目標140/90 mmHgは危険」
Control of blood pressure and risk of mortality in a cohort of older adults: the Berlin Initiative Study

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
European Heart Journal
年月
July 2019
40
開始ページ
2021

背景

高齢者の降圧目標として140/90 mmHg以下は適切か。ドイツCharite-Universitatsmedizin BerlinのDourosらは、Berlin Initiative Studyのデータ(n=1,628、平均年齢81歳)を解析した。

結論

8,853人年のフォローアップで、469名が死亡した。140/90 mmHg以下の場合の全死因死亡リスクは、高血圧の場合より高かった(HR:1.26)。さらに、80歳以上(HR:1.40)・心血管疾患既往(HR:1.61)ではより高リスクだった。他方、70〜79歳(HR:0.83)・心血管疾患既往なし(HR:1.16)では、リスクは減るか同等だった。

評価

2017 ACC・AHAの降圧基準 SBP<130 mmHgは論争的で、ESC/ESHはSBP<140基準を採用している。高齢者に関しては、RCTでそれでよいというデータがあるが、このドイツリアルワールドデータは「80歳以上では危険」ということになった。しばらくは収束は難しそうである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)