HFrEF退院患者への降圧療法にリスク
Systolic Blood Pressure and Outcomes in Patients With Heart Failure With Reduced Ejection Fraction
背景
AHA/ACCガイドラインは、駆出率低下心不全(HFrEF)患者の収縮期血圧(SBP)を130 mmHg以下に維持することを推奨しているが、それでよいか。Veterans Affairs Medical CenterのArundelは、OPTIMIZE-HFレジストリ25,345名の患者データに基づき、HFrEF退院患者のアウトカムとSBPの関連を検討した。
結論
HFrEFの入院高齢患者の退院後30日全死因リスクは、SBP <130 mmHg患者で高かった(HR:1.76)。1年後全死因死亡(1.32)・全/心不全入院リスクも高かった。この関連は、SBP <110 mmHgの患者を除外した後でも同様だった。
評価
元々のOPTIMIZE-HF研究は、HFrEF入院患者は高SBPの場合予後が悪いとしたものであった(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18652942)。退院後の降圧強調ガイドラインが裏目に出ているとする結果で、重要である。著者らは前向検証を提唱しており、JACC Editorialは「血圧を治療するのでなく心不全を治療しなければならない」としている。