症候性AFへの肺静脈隔離術に初のシャム対照RCT:SHAM-PVI
Pulmonary Vein Isolation vs Sham Intervention in Symptomatic Atrial Fibrillation: The SHAM-PVI Randomized Clinical Trial
背景
心房細動(AF)に対する肺静脈隔離術(PVI)にはプラセボ効果があるかもしれないという懸念が表明されてきたが、RCTは実施されていない。
イギリスEast Sussex Hospitals NHS TrustのDulaiら(SHAM-PVI)は、症候性AF患者126名をクライオアブレーションによるPVI、または横隔膜神経ペーシングによるシャム手技に割り付け、RCTを行った。
一次エンドポイントは、3ヵ月のブランキング期間を除く6ヵ月後のAF負荷(AF burden)である。
結論
PVIの一次エンドポイント効果を認めた(60.3%低下 vs. 35%低下)。AFEQTサマリースコアの改善でもPVIが優れており(群間差 18.39ポイント)、SF-36健康関連QOLスコアの改善も同様だった(差 9.27ポイント)。さらに、MAFSI症状頻度スコアでは、3ヵ月後と6ヵ月後の症状の頻度と重症度ともPVI群が良好であった。
評価
すでにクラス1推奨を得ている同手法だが、特にQOL等に関しては、プラセボ効果の排除要求が強かった。このため初めて行われた本格的シャム対照RCTで、プラセボ効果は否定された。限定点は、試験期間が短いこと(6ヵ月)と、少数施設のみの参加であることであり、長期追跡と他にも企画されているシャム対照試験により、結果はさらに明らかとなる。