血液検査のhsCRP、LDL-C、Lp(a)値で、アメリカ人女性の30年間の心臓発作、脳卒中、心血管死のリスクを予測
Inflammation, Cholesterol, Lipoprotein(a), and 30-Year Cardiovascular Outcomes in Women
背景
心血管疾患(CVD)は大部分が予防可能だが、そのためにはリスク因子の長期追跡が必要である。
アメリカBrigham and Women’s HospitalのRidkerらは、1992〜1995年に同国Women’s Health Study(WHS)に参加した女性27,939名の血液サンプルと医療情報を解析した。ベースラインで参加者の高感度CRP(hsCRP)・LDL-C・リポ蛋白(a)[Lp(a)]値を測定し、30年間追跡した。
一次エンドポイントは、心筋梗塞(MI)・冠動脈血行再建術・脳卒中・CVD死亡の複合(主要有害心血管イベント:MACE)の初発である。
結論
追跡期間中に、3,662名で一次エンドポイントイベントが発生した。hsCRP・LDL-C・Lp(a)のベースライン値の上昇の五分位はすべて、30年間のリスクを予測した。上位五分位と下位五分位を比較した場合の一次エンドポイントの調整ハザード比は、hsCRPで1.7、LDL-Cで1.36、Lp(a)で1.33であった。冠動脈性心疾患(CHD)・脳卒中リスクは、一次エンドポイントリスクと一致しているとみられた。
評価
WHSの大規模・詳細データにより、長期的な3因子追跡がMACE予防に有益であることを確認した。女性に集中した予防研究であること、これら全ての因子が生活習慣改善と薬物療法で修正可能であることも重要である。なお、アメリカのCVD予防では、PREVENTリスク予測ツールの使用の標準化が提唱されている(https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2821624)。