冠動脈疾患に罹ると認知機能が低下する?
Cognitive Decline Before and After Incident Coronary Events
背景
冠動脈疾患(CAD)は認知機能とどう関連するか。中国Peking UniversityのXieらは、English Longitudinal Study of Ageing 参加7,888名(50歳以上)の中央値12年の追跡データに基づき、CAD(心筋梗塞・狭心症)発症前後の認知機能変化を検討した。
結論
CAD発症者のイベント前認知機能低下トレンドは非発症者と同等だったが、CAD発症後にはglobal cognition・言語記憶・短期記憶スコアが非発症者より有意に低下した。
評価
この問題に関する最大規模の研究で、著者らは、「CAD発症者は発症以前から心血管系因性の認知障害があると予測していたので驚いた」としている。このような関連が確認されれば因果性が疑われることになり、機構的意味は大きい。