TAVR後脳卒中の発生率は下がってこない
Association Between Transcatheter Aortic Valve Replacement and Early Postprocedural Stroke
背景
アメリカではTAVR導入後9年が経過したが、その「アキレス腱」脳梗塞合併症頻度に変化はあるか。Cleveland ClinicのKapadiaらは、2011年11月〜2017年5月にTAVRを施行した全米521病院101,430名の患者を対象に、術後脳卒中発生率を後向解析した。
結論
30日脳卒中・TIA発生率は各2.3%・0.4%で、有意な変化はみられなかった。30日以内脳卒中の68.4%はTAVR後3日以内の発症であり、脳卒中発生は30日死亡と有意に関連した(HR:6.1)。
評価
適応が重症例に広がったため脳卒中発生率を劇的に低下させることは困難だった、という面もあるが、アプローチ経路や抗凝固療法の影響もなく、発生要因が分からないことは深刻な問題である。AF合併症例に対するAA closureは注目される(WATCH-TAVR; NCT03173534)。