T2D患者への週一回insulin efsitora、デグルデクへの第3相非劣性を示す:QWINT-2
Insulin Efsitora versus Degludec in Type 2 Diabetes without Previous Insulin Treatment
背景
インスリン未投与の2型糖尿病(T2D)患者に対する、週1回投与の基礎インスリン製剤insulin efsitora alfa(エフシトラ)の安全性と有効性は。
アメリカMultiCare Rockwood Center for Diabetes and EndocrinologyのWyshamら(QWINT-2)は、同成人患者928名を対象に、エフシトラ(週1回)の有効性を、デグルデク(1日1回)と比較する52週の第3相RCTを行った。
一次エンドポイントは、ベースラインから52週までのHbA1c値の変化である。
結論
エフシトラのデグルデクに対する一次エンドポイント非劣性を認めた(絶対変化: エフシトラ群−1.26%、デグルデク群−1.17%)。二次エンドポイント(GLP-1受容体作動薬投与患者と非投与患者のサブグループの比較)でも、エフシトラの非劣性が示された。臨床的有意または重度の低血糖発生率は、エフシトラで年間0.58件、デグルデクで0.45件であった(推定発生率比 1.30)。エフシトラ群では重度の低血糖はなかったが、デグルデク群では6件報告された。他の有害事象発生率に両群差はなかった。
評価
Eli Lillyの同薬は、インスリン治療のイメージを変えうるもので、この第3相成功は大きな進歩である。
ただし、Lancetは同時にT1D患者を対象としたQWINT-5第3相RCT結果を発表しており、そこではエフシトラはデグルデクに非劣性であったものの、低血糖発生率が高く、最適化には追加評価を行う必要があると、としている(https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(24)01804-X/abstract)。
FDAの承認には、安全性の最終確認が必要である。