二次性MRに対するMitraClipTEERを外科手術と比較:MATTERHORN
Transcatheter Repair versus Mitral-Valve Surgery for Secondary Mitral Regurgitation
背景
心不全(HF)を伴う二次性僧帽弁逆流症(MR)の患者に対する現在の治療推奨には経カテーテルedge-to-edge修復術(TEER)および僧帽弁修復術が含まれるが、これらの比較は。
ドイツUniversity Hospital CologneのBaldusら(MATTERHORN)は、ガイドラインに従った薬物療法にもかかわらず、症状が続くHFを伴う二次性MR患者210名を、TEER(MitraClip)群と、外科的僧帽弁修復術/置換術に割り付ける非劣性RCTを行った。
一次有効性エンドポイントは、術後1年以内の死亡・心不全再入院・僧帽弁再治療・補助装置植え込み・脳卒中の複合で、一次安全性エンドポイントは、術後30日以内の主要有害事象の複合である。
結論
1年以内に、有効性エンドポイントの少なくとも1つが、MitraClip群の16.7%、手術群の22.5%に発生した(非劣性のP<0.001)。一次安全性エンドポイントは、MitraClip群で14.9%、手術群で54.8%に発生した(P<0.001)。
評価
MRへのMitraClipTEERに関しては、COAPTとMITRA-FRの相反結果以来、決着試験が待たれている。このMATTERHORNもその一つだが、薬物療法アームをもたない侵襲治療間の比較であること、患者数が少ないこと、が批判されている。著者らは、長期追跡結果の公表を約束しており、この問題の決着には未だ最低数年はかかる、とみられる。