二弁尖ASへのTAVRは脳卒中リスクが高い?
Association Between Transcatheter Aortic Valve Replacement for Bicuspid vs Tricuspid Aortic Stenosis and Mortality or Stroke

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
June 2019
321
開始ページ
2193

背景

TAVRの約3%が二弁尖に対して行われているが、三弁尖狭窄症に対する場合と差はあるのか。Cedars-Sinai Medical CenterのMakkarらは、AS患者81,822名(二尖弁:2,726名、三弁尖:79,096名)のレジストリデータを解析した。一次アウトカムは、30日・1年以内の死亡・脳卒中である。

結論

30日・1年後の全死因死亡率に群間有意差はみられなかったが、30日時点の脳卒中発症率は二尖弁群で有意に高かった(2.5% vs. 1.6%)。開胸手術リスクは二尖弁群で有意に高かったが(0.9% vs. 0.4%)、弁血流動態・中等度/重度弁周囲漏出・1年時点のQOL改善に有意差はみられなかった。

評価

この問題に対する初めての解析で、「死亡率に大差はないが早期脳卒中が多いのではないか」という仮説を生成した。この集団へのTAVR施行を否定するデータではないが、何か違いがあるかもしれない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)