二弁尖ASへのTAVRは脳卒中リスクが高い?
Association Between Transcatheter Aortic Valve Replacement for Bicuspid vs Tricuspid Aortic Stenosis and Mortality or Stroke
背景
TAVRの約3%が二弁尖に対して行われているが、三弁尖狭窄症に対する場合と差はあるのか。Cedars-Sinai Medical CenterのMakkarらは、AS患者81,822名(二尖弁:2,726名、三弁尖:79,096名)のレジストリデータを解析した。一次アウトカムは、30日・1年以内の死亡・脳卒中である。
結論
30日・1年後の全死因死亡率に群間有意差はみられなかったが、30日時点の脳卒中発症率は二尖弁群で有意に高かった(2.5% vs. 1.6%)。開胸手術リスクは二尖弁群で有意に高かったが(0.9% vs. 0.4%)、弁血流動態・中等度/重度弁周囲漏出・1年時点のQOL改善に有意差はみられなかった。
評価
この問題に対する初めての解析で、「死亡率に大差はないが早期脳卒中が多いのではないか」という仮説を生成した。この集団へのTAVR施行を否定するデータではないが、何か違いがあるかもしれない。