バーチャル観察ユニットは救急滞在を短縮し、入院率を低下させる
The Value of an Emergency Medicine Virtual Observation Unit
背景
経過観察によって入院の必要性を判断すべき救急患者のために観察専用のユニット(observation unit)の設定が提案されているが、帰宅可能な患者で自宅に居ながら病院レベルの観察を行う「バーチャル観察ユニット」も、いくつかの施設で導入されている。
アメリカMassachusetts General HospitalのHaydenらは、バーチャル観察ユニットを導入した同病院の救急外来において、バーチャル観察または直接観察を受けた患者を対象として、カルテレビューによる後向解析を行った。
結論
観察症例8,218例のうち、バーチャル観察ユニットの患者361名が、対面観察を受けた361名とマッチングされた。
バーチャル観察患者では、救急および救急観察ユニットの滞在時間が短縮し(14.6時間 vs. 33.3時間 [中央値])、入院率が低下した(10.2% vs. 24.7%)。72時間以内の再受診率はバーチャル観察患者で高く(3.6% vs. 2.5%)、再受診後の入院率もバーチャル観察患者で高かった(53.8% vs. 11.1%)。
重大な安全性イベントは報告されなかった。
評価
バーチャル観察ユニットは、救急滞在時間の短縮、入院率の低下と関連した。
品質を犠牲にすることなく、救急外来の繁忙状況を改善する一助となりうるケアモデルである。