高カイロミクロン血症にsiRNA薬plozasiran登場:PALISADE
Plozasiran for Managing Persistent Chylomicronemia and Pancreatitis Risk
背景
Plozasiranは、肝におけるアポリポタンパクC-IIIの産生・分泌を抑制する低分子干渉RNA(siRNA)薬である。
オーストラリアUniversity of Western AustraliaのWattsら(PALISADE)は、家族性高カイロミクロン血症症候群(FCS)、または持続性高カイロミクロン血症の成人患者75名に対する同薬の効果・安全性を検証する第3相RCTを行った。
一次エンドポイントは、10ヵ月後の空腹時トリグリセリド(TG)値のベースラインからの変化である。
結論
ベースラインTG値の中央値は2,044 mg/dLであった。Plozasiranの一次エンドポイント効果を認めた(25 mg群で−80%、プラセボ群で−17%)。
急性膵炎発症率(二次エンドポイント)も83%低下した。有害事象リスクは群間同等で、最も一般的な有害事象は腹痛・鼻咽頭炎・頭痛・嘔気であった。重篤有害事象は、実薬群がプラセボ群より少なかった。Plozasiran投与による高血糖が、ベースラインで糖尿病前症または糖尿病であった一部の患者で発生した。
評価
Arrowhead Pharmaceuticals創薬による同薬はすでに、重度高TG血症患者を対象としたSHASTA(https://www.clinicaltrials.gov/study/NCT04720534)、混合型高脂血症患者を対象としたMUIR(https://www.medicalonline.jp/review/detail?id=11055)等で有望結果を示している。特にFCS患者での急性膵炎リスクの著減も示した、この第3相結果により、FDA承認は確実とみられる。