STEMIでのマイクロバブル超音波血栓溶解療法は有望
Sonothrombolysis in ST-Segment Elevation Myocardial Infarction Treated With Primary Percutaneous Coronary Intervention
背景
冠血栓症に対するマイクロバブルによる超音波血栓溶解療法 (sonothrombolysis: SNT)が、ようやく臨床試験に到達した。ブラジルSao Paulo UniversityのMathiasら(MRUSMI)は、100名のSTEMI患者を対象としてPCIへのその併用の有効性・安全性を検証するRCTを行った(対照:PCIのみ)。RCTとは別のSTEMI群(n=203)での施行成績も分析した。PCI前のCAG上再開通、ST上昇の解消、MRIによる梗塞サイズ、および6ヶ月後のLVEFを比較した。
結論
SNTの有効性を認めた。CAG上の再開通はSNT群:48% vs. 対照群:20%、ST上昇解消は32% vs. 4%、梗塞サイズは29g vs. 40gであった。LVEFは治療前は群間差がなかったが、SNT群でPCI直後に増加し、6ヶ月でも維持された。SNT群は除細動器埋め込みが少なかった(5% vs. 18%)。
評価
先行パイロット研究では総じて再開通効果がみられたが、出血等問題も指摘されていた。実行可能性を確立して大規模検証への道を開き、すでにブラジルで開始されている、という。デバイスも重要である。