強化血糖コントロールの効果は15年で消失
Intensive Glucose Control in Patients with Type 2 Diabetes - 15-Year Follow-up
背景
VADTは、2型糖尿病(T2D)の退役軍人1,791名を対象として、強化血糖降下療法(IGC)と標準治療を比較した臨床試験で、10年結果はIGCの有効性を示した。同試験のReaven(Phoenix VA Health Care System)らは、15年結果を報告している。一次アウトカムは、非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・うっ血性心不全の新発症または増悪、壊疽による断肢心血管疾患死亡である。
結論
15年のフォローアップでは、IGCの一次エンドポイント効果は消滅した。主要心血管疾患リスクは、HbA1c曲線の分離が持続している間だけ低かった。Legacy effectや死亡率低下も認められなかった。
評価
同試験は、ACCORD・ADVANCEとともにこの問題を検討した代表的RCTである。2015報告では心血管イベント低減は認めたものの死亡率効果はなかった(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa1414266)。治療期間は5.6年だったが、15年ですべての効果が消滅した。同テーマでは DCCT・UKPDS試験があり、ここでの結果が最終的とも未だみなされえないが、落胆結果である。