転移を有する膵がんの一次治療に抗CD40抗体Mitazalimabの追加が有望:OPTIMIZE-1
Combining CD40 agonist mitazalimab with mFOLFIRINOX in previously untreated metastatic pancreatic ductal adenocarcinoma (OPTIMIZE-1): a single-arm, multicentre phase 1b/2 study

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet Oncology
年月
July 2024
25
開始ページ
853

背景

遠隔転移を有する膵がんは最も予後の不良ながんの一つであり、一次治療としてはFOLFIRINOX療法やゲムシタビン・ナブパクリタキセル併用療法が標準となるが、5年生存率は5%以下である。
ベルギーUniversite Libre de BruxellesのVan Laethemら(OPTIMIZE-1)は、ベルギー・フランス・スペインの14施設で、転移が確認され、パフォーマンスステータスが0-1の膵管がん患者に対し、mFOLFIRINOX(オキサリプラチン・ロイコボリン・イリノテカン・フルオロウラシル)に併用してアゴニスト抗CD40抗体mitazalimabを投与する、第1b/2相試験を実施した。
第1b相では第2相推奨用量を決定し、第2相では客観的奏効率が一次エンドポイントとされた。

結論

70名が登録された。
第1b相試験では、推奨用量として900 μg/kgが決定した。用量制限毒性は450 μg/kg(n=5)で0件、900 μg/kg(n=65)で1件認められた。
活性について評価を受けた57例では、追跡期間12.7ヵ月(中央値)で51%が試験を継続中、32%が治療を継続中であった。客観的奏効率は40%であり、一次エンドポイント(客観的奏効率が30%超)が満たされた。
グレード3以上の有害事象としては、好中球減少症、低カリウム血症、貧血/血小板減少症が一般的であり、重篤有害事象は41%で報告された。治療関連死は報告されなかった。

評価

Mitazalimabと化学療法の併用は、転移性膵がんのファーストライン治療で40%に奏効、最新の18ヵ月生存率は36.2%という非常に有望な結果をもたらした。予定されている第3相RCTで確認されれば、転移性膵管がんの治療にとって大きな前進となるだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)