iPSC由来血管内皮細胞実験で電子タバコの血管毒性を示す
Modeling Cardiovascular Risks of E-Cigarettes With Human-Induced Pluripotent Stem Cell-Derived Endothelial Cells
背景
電子タバコの毒性を示す面白い実験結果が発表された。Stanford UniversityのWuらは、ヒト人工多能性幹細胞由来内皮細胞(iPSC-ECs)を用いて、多種のフレーバーの電子タバコ リキッド(e-リキッド)および電子タバコ使用者の血清のiPSC-ECsとマクロファージへの影響をin vitro解析した。
結論
e-リキッドの細胞傷害性は各フレーバーで異なるが、シナモンで最も影響が強く、有意な内皮細胞機能不全が生じた(細胞生存能低下・ROS増・血管生成能減少等)。ECsのe-リキッドへの曝露はマクロファージの炎症性活性化を誘導し、IL-1β・IL-6・ROSの増加を誘発した。喫煙者の血清は、血管新生を抑制した。
評価
電子タバコの心血管毒性の可能性を示唆したばかりでなく、iPSC実験系の威力も示した。重要な発端研究である。