高BMI・WHtRは高血圧を予測する:NCD-RisC最大規模研究
General and abdominal adiposity and hypertension in eight world regions: a pooled analysis of 837 population-based studies with 7・5 million participants
背景
肥満度は、BMIと腹部肥満率(Waist to Hip Ratio: WHtR)を使用して測定できるが、これらの指標は高血圧者と非高血圧者を区別できるか。
国際共同疫学研究グループNCD Risk Factor Collaboration(NCD-RisC)は、1990〜2023年に、世界8地域の20〜64歳の一般人750万名を対象に実施されたBM・WHtR・高血圧に関する研究データ837件を使用し、人口ベース統合分析を行った。
結論
BMIは、WHtR高値の若年成人と中年成人を中〜高精度で区別することができ(相関係数 0.76〜0.89)、BMIとWHtRは、どちらも高血圧の有無を区別することができた(C統計量 0.72〜0.81、NRI 0.34〜0.57)。同じBMIレベルでも、南アジア・ラテンアメリカ・カリブ海諸国・中央アジア・中東・北アフリカの人々は、他の地域の人々より平均WHtR値が男女とも高かった。
BMIとWHtRの両指標を使用した場合、一指標のみを使用した場合と比較してパフォーマンスはわずかに向上した。
評価
BMIとWHtRは高血圧をよく予測するという通説を、世界全域に関する最大規模データで確認した。ただし著者らは、64歳以上の十分なデータはなく、加齢による筋肉量の減少と身長の低下によりBMIとWHtRが分岐する可能性がある、と注意している。BMIとWHtRは腹囲(WC)やConicity Indexよりも高血圧の発症予測で優れている、という中9,905名の前向コホート研究もある(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29416119/)。