チルゼパチドの中国での抗肥満効果は:SURMOUNT-CN
Tirzepatide for Weight Reduction in Chinese Adults With Obesity: The SURMOUNT-CN Randomized Clinical Trial

カテゴリー
生活習慣病、Top Journal
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
May 2024
332
開始ページ
551

背景

中国から、新規デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドの抗肥満効果と安全性を検証する第3相RCTの結果が報告された。
中国Fudan UniversityのZhaoら(SURMOUNT-CN)によるもので、同国29施設における糖尿病以外の肥満関連合併症が一つ以上ある18歳以上の成人患者210名を、週1回のチルゼパチド皮下注射群(52週間)とプラセボに割り付けた。
参加者には、WHO基準のBMI閾値(過体重:BMI 25以上、肥満:BMI 30以上)を適用する代わりに、BMI 24以上を過体重、28以上を肥満という閾値が適用された。

結論

体重減少はプラセボ群−2.3%に対して、チルゼパチド10 mg群で−13.6%、15 mgで−17.5%、で有効性を認めた。チルゼパチド両群で、8割以上が5%以上体重が減少した(プラセボ群は3割程度)。チルゼパチド群で最も頻繁に発生した有害事象は消化器障害で、ほとんどは軽〜中等度であった。治療中止に至った事象は5%未満であった。

評価

中国の診断・治療ガイドラインに沿ったBMIカットオフ値を使用した数少ない研究で、体重減少効果を示し、安全性プロファイルも既知範囲であった。同薬は2型糖尿病適応では既承認だが、中国で肥満治療薬として初めて承認を得たデュアルGIP/GLP-1受容体作動薬となった。中国では、15種の抗肥満薬が開発中で、そのうち11種は開発後期にあるという。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)