チルゼパチドの中国での抗肥満効果は:SURMOUNT-CN
Tirzepatide for Weight Reduction in Chinese Adults With Obesity: The SURMOUNT-CN Randomized Clinical Trial
背景
中国から、新規デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドの抗肥満効果と安全性を検証する第3相RCTの結果が報告された。
中国Fudan UniversityのZhaoら(SURMOUNT-CN)によるもので、同国29施設における糖尿病以外の肥満関連合併症が一つ以上ある18歳以上の成人患者210名を、週1回のチルゼパチド皮下注射群(52週間)とプラセボに割り付けた。
参加者には、WHO基準のBMI閾値(過体重:BMI 25以上、肥満:BMI 30以上)を適用する代わりに、BMI 24以上を過体重、28以上を肥満という閾値が適用された。
結論
体重減少はプラセボ群−2.3%に対して、チルゼパチド10 mg群で−13.6%、15 mgで−17.5%、で有効性を認めた。チルゼパチド両群で、8割以上が5%以上体重が減少した(プラセボ群は3割程度)。チルゼパチド群で最も頻繁に発生した有害事象は消化器障害で、ほとんどは軽〜中等度であった。治療中止に至った事象は5%未満であった。
評価
中国の診断・治療ガイドラインに沿ったBMIカットオフ値を使用した数少ない研究で、体重減少効果を示し、安全性プロファイルも既知範囲であった。同薬は2型糖尿病適応では既承認だが、中国で肥満治療薬として初めて承認を得たデュアルGIP/GLP-1受容体作動薬となった。中国では、15種の抗肥満薬が開発中で、そのうち11種は開発後期にあるという。