AYA世代の子宮頸がん・白血病サバイバーには重要な産科合併症リスク
Risks of adverse obstetric outcomes among female survivors of adolescent and young adult cancer in England (TYACSS): a population-based, retrospective cohort study
背景
思春期・若年成人(AYA)世代がんの生存率は過去数十年で大きく向上しており、サバイバーの長期合併症が次なる問題として浮上している。特に女性のサバイバーでは、妊孕性と産科合併症は重要な懸念となっている。
イギリスUniversity of BirminghamのSungucらは、イングランド・ウェールズで15歳から39歳にがん診断を受け、5年以上生存したの集団ベース後向コホート、Teenage and Young Adult Cancer Survivor Study(n=200,945)において、English Hospital Episode Statisticsデータベースとのリンクにより、出生率と産科合併症のリスクを定量化し、イングランドの一般集団と比較した。
結論
13,886名のAYAがんサバイバーの女性で、21,437件の出生が確認された。これは一般集団から期待される数よりも低かった(観察値/期待値比0.68)。泌尿生殖器がん・子宮頸がん・乳がんでは観察値/期待値比が0.5を下回った。
一般集団と比して多かった産科合併症(発生数が100件以上かつ観察値/期待値比が1.25以上)としては、子宮頸がんサバイバーでの胎位異常・分娩停止・羊水‐羊膜障害・前期破水・早産・前置胎盤等胎盤障害・分娩前出血があった。白血病サバイバーでは早産・分娩停止・分娩後出血・胎盤残留があった。
評価
ほとんどのがんでは、サバイバーの産科合併症の増加は認められなかったものの、子宮頸がんと白血病のサバイバーでは重大な産科合併症リスクの増加が認められた。
カウンセリング・モニタリングを含め、より集中的な出生前ケアが有益な集団を特定した。