ダビガトランのESUS再発予防効果はアスピリンを上回らない
Dabigatran for Prevention of Stroke after Embolic Stroke of Undetermined Source
背景
ソース不詳の塞栓性脳梗塞(ESUS)に対し、NOACによる再発予防は有効か。ドイツUniversity Duisburg-EssenのDienerら(RE-SPECT ESUS)は、ESUS患者5,390名を対象としてダビガトランとアスピリンを比較するRCTを行った。一次アウトカムは脳梗塞再発である。
結論
一次アウトカムに群間差はなかった。大出血はダビガトラン群 で1.7%、アスピリン群で1.4%に発生し(HR:1.19)、大出血ではない臨床的重要出血もダビガトラン群が多かった(1.6% vs. 0.9%)。
評価
リバーロキサバンに関するNAVIGATE-ESUSと同様に、ダビガトランにもアスピリンを上回る効果は示されず、安全性にもやや疑問の残る結果となった。現在、第3のESUS試験であるATTICUS(アピキサバン vs. アスピリン)が進行中であり、そこでは実測によりAFの頻度とインパクトを明らかにすることも目指されている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27881833)。