小児の腹部・頭部外傷のためのPECARNルールは安全
PECARN prediction rules for CT imaging of children presenting to the emergency department with blunt abdominal or minor head trauma: a multicentre prospective validation study
背景
小児の腹部外傷と頭部外傷におけるCTの適応をめぐっては、Pediatric Emergency Care Applied Research Network(PECARN)によって開発された予測ルールが存在する(https://doi.org/10.1016/j.annemergmed.2012.11.009, https://doi.org/10.1016/S0140-6736(09)61558-0)。
アメリカUniversity of California DavisのHolmesらは、同国6ヵ所の救急外来を受診した18歳未満の腹部鈍的外傷患者(n=7,542)・軽症頭部外傷患者(n=19,999)を対象に、PECARNルールを検証する前向研究を実施した。
結論
急性介入を必要とする腹部外傷(開腹術、血管造影による塞栓術、輸血、膵臓・消化管損傷に対する2日以上の輸液、腹部外傷による死亡)に対するPECARNルールの感度は100.0%、陰性適中率は100.0%であった。
臨床的に重要な外傷性脳損傷(脳神経外科手術、外傷性脳損傷に対する2日以上の気管挿管、2日以上の入院、死亡)に対するPECARNルールの感度は100.0%、陰性適中率は100.0%であった。2歳以上の患者では感度が98.8%であり、2名に誤分類が生じた(ともに手術は必要とせず、経過観察のため入院)。
評価
腹部外傷および頭部外傷の小児のためのPECARNルールは、共に高い精度を持つことが確認された。
これらの予測ルールを導入することで、患者を危険にさらすことなく、不要なCT撮影を最小化しうる。


