培養不要な抗菌薬感受性試験で敗血症の原因を特定する
Blood culture-free ultra-rapid antimicrobial susceptibility testing
背景
抗菌薬感受性試験は適切な抗菌薬使用のために重要だが、血液培養サンプルを必要とし結果を得るまでに時間がかかるため、敗血症などの初期管理の指針としては利用困難であった。
韓国Seoul National UniversityのKimらは、合成β2-糖タンパクIペプチドを用いて全血から広範囲の病原菌を直接回収した後、菌種を同定または直ちに増殖させ、表現型の評価を行う超迅速抗菌薬感受性試験(ultra-rapid antimicrobial susceptibility testing; uRAST)法を開発し、感染疑いの入院患者(n=190)において臨床的に評価した。
結論
uRASTは、菌種の同定において、血液培養とMALDI-TOF質量分析法による従来の検査プロトコルと100%の一致を達成した。
8例の陽性症例のうち、6例について後向に分析を行ったところ、最初の血液処理からの理論的所要時間は平均13時間であった。
評価
血液培養のステップを省略した迅速な感染原因特定は、最近のホットトピックであり、多くの企業・研究チームがさまざまなアプローチで開発を進めている。
本研究のuRAST法は、通常のプロセスよりも約2日早く感受性試験の結果をもたらしており、タイムリーな敗血症治療に有力である。