脳梗塞でのt-PA静注は発症9時間以内
Thrombolysis Guided by Perfusion Imaging up to 9 Hours after Onset of Stroke
背景
急性期脳梗塞治療選択への、CT/MR灌流画像(CTP/MRP)法の応用が期待されている。豪University of MelbourneのDonnanら(EXTEND)は、最終未発症確認時から4.5〜9.0時間で,灌流画像で低灌流だが救済可能脳領域を >10 ml残す脳梗塞患者に対するrt-PA静注の有効性を検証するRCTを行った(対照:placebo、n=310)。一次アウトカムは、90日後の機能予後良好(mRS:0〜1)である。
結論
2018年5月に先行発表されたWAKE-UP結果により臨床均衡が喪失したため、新規登録を中止した。アルテプラーゼの一次アウトカム有効性を認めた(aRR:1.44)。症候性脳内出血の発症はアルテプラーゼ群が多かった(aRR:7.22)。
評価
新規評価法の導入により、同薬による再灌流療法の適応を発症4.5時間以内とした現行ガイドラインは改定されることになろう。ヨーロッパ中心で行われた同テーマ試験(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29766770)の結果発表のため中途終了した、という珍しい例だが、同試験とは対象患者が違っており、追加情報量のある結果である。