「ゼロカロリー」甘味料は血栓のリスクを増やすかもしれない
Ingestion of the Non-Nutritive Sweetener Erythritol, but Not Glucose, Enhances Platelet Reactivity and Thrombosis Potential in Healthy Volunteers
背景
エリスリトールは、カロリーをほとんど含まず(「ゼロカロリー」)、血糖値にも影響を与えない非栄養性甘味料であるが、最近の研究では心血管イベントのリスクと関連することが示されている(https://doi.org/10.1038/s41591-023-02223-9)。
アメリカCleveland ClinicのWitkowskiらは、健康なボランティア被験者10名で、エリスリトールまたはグルコースの摂取が、血小板反応性に与える影響を評価する前向介入研究を実施した。
結論
30 gのエリスリトール摂取により、グルコースの場合と比較して、エリスリトールの血漿濃度は1,000倍超に上昇し(6,480 μmol/L vs. 3.75 μmol/L)、全ての被験者、検討された全てのアゴニスト・用量で刺激依存性の血症版凝集反応の増強が認められた。
エリスリトール摂取は、血小板密顆粒のマーカー、セロトニンおよびα顆粒のマーカー、CXCL4の刺激依存性放出を引き起こした。グルコースの摂取ではセロトニン、CXCL4は有意に増加しなかった。
評価
エリスリトールと重大有害心血管イベント(MACE)との関連を指摘した昨年の研究は大きな話題を集めたが、同じ研究チームによる本論文は、より基礎的なレベルでこの関連を検討した。
エリスリトール摂取による血小板反応性の亢進は血栓のリスクを示唆するもので、この添加物の安全性については再評価が必要である。