移植非適応の初発多発性骨髄腫でVRd+イサツキシマブ:IMROZ
Isatuximab, Bortezomib, Lenalidomide, and Dexamethasone for Multiple Myeloma
背景
初発の多発性骨髄腫(MM)患者に対しては三剤併用療法が標準治療として確立されているが、移植適応のある患者では四剤療法も登場している。
フランスUniversity of LilleのFaconら(IMROZ)は、移植適応でない80歳までの新規診断MM患者(n=446)を、抗CD38モノクローナル抗体イサツキシマブとVRdの併用またはVRd単独のいずれかに3::2の割合で割り付け、無増悪生存率を比較する第3相国際RCTを実施した。
結論
60ヵ月無増悪生存率は、イサツキシマブ併用群で63.2%、VRd単独群では45.2%であった(HR 0.60)。完全奏効以上の奏効を達成した患者の割合はイサツキシマブ併用群74.7%、VRd単独群64.1%であり、MRD陰性の完全奏効の割合はそれぞれ55.5%、40.9%であった。
イサツキシマブ併用による新たな安全性シグナルは認められず、治療中の重篤有害事象、治療中止に至った有害事象は両群で同程度であった。
評価
イサツキシマブ+VRdとイサツキシマブ+Rdを比較したBENEFIT試験(https://doi.org/10.1038/s41591-024-03050-2)とともに、ASCO 2024で発表された。
どちらの試験結果も、移植非適応の初発MMにおける標準治療として、イサツキシマブ+VRdを支持するものである。