心血管危険因子と片頭痛との関連は
Sex-Specific Association of Cardiovascular Risk Factors With Migraine The Population-Based Rotterdam Study

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
Neurology
年月
August 2024
103
開始ページ
e209700

背景

片頭痛(MA)と心血管(CV)イベントとの関連を示す研究が多いが、個別の心血管危険因子(CVRF)とMAの関連は。
オランダErasmus MC UniversityのAl-Hassanyらは、中高年者に関する現行人口ベースのコホート研究(ロッテルダム研究)内で横断分析を行い、CVRFとMAの生涯有病率との性別固有関連性を検証した。
7,266名(年齢中央値66.6、女性57.5%)が含まれ、MA生涯有病率は14.9%であった。参加者全員が身体検査を受け、血液サンプルを提供した。MAに関しては詳細に問診した。

結論

通常CVRFはすべて、中高年者ではMAと無関係または逆相関していた。しかし、拡張期血圧が高い女性参加者は、拡張期血圧の標準偏差1増加ごとにMAの確率が16%高くなった。収縮期血圧との関連はみられなかった。男性では、CVRFとMAの間に有意な関連は認められなかった。

評価

この問題に関しては先行研究も多いが、結論は一致していない。ここでの結果は、MAは一般的にはCVRFと無関係で、女性の拡張期高血圧とのみ関連する、というものである。他方、喫煙と糖尿病が、女性のMA有病率の低下と関連する、という既報も支持しており、当面の中心仮説は、「MAはCVRFと直接関連していない」ということになる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)