レナリドミド治療歴のある再発多発性骨髄腫にBelantamab Mafodotin三剤療法:DREAMM-8
Belantamab Mafodotin, Pomalidomide, and Dexamethasone in Multiple Myeloma
背景
多発性骨髄腫(MM)では、免疫調節薬・プロテアソーム阻害薬・抗CD38モノクローナル抗体などを組み合わせた初回治療が標準となっているが、再発率は高く、薬剤耐性が大きな問題となっている。
ギリシアNational and Kapodistrian University of AthensのDimopoulosら(DREAMM-8)は、レナリドミドを含む1ライン以上の治療歴を有する再発・難治骨髄腫患者を対象に、belantamab mafodotin+ポマリドミド+デキサメタゾン(BPd)またはポマリドミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(PVd)を割り付け、無増悪生存率を比較するオープンラベルによる第3相RCTを実施した(n=302)。
結論
12ヵ月無増悪生存率はBPd群で71%、PVd群で51%と、BPd群で優った(HR 0.52)。全生存率のデータはimmatureであった。部分奏効以上の治療奏効は、BPd群の77%、PVd群の72%で認められ、完全奏効以上の奏効はそれぞれ40%、16%で認められた。
グレード3以上の有害事象は、BPd群の94%、PVd群の76%で発生した。とくに眼球事象は、BPd群の89%に発生したのに対し、PVd群では30%であった。BPd群の眼球事象は、belantamab mafodotinの用量変更によって管理され、治療中止に至った患者は9%であった(PVd群では0%)。
評価
レナリドミド治療歴のあるr/r MM患者では、belantamab mafodotinを含むBPd三剤療法により信仰リスクが半減した。
同時にNEJM誌に発表されたDREAMM-7試験(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2405090)の結果と併せ、MM初回再発ではbelantamab mafodotinが有力なオプションとみなされる。