アメリカの地域高血圧対策では、薬剤師と地域保健従事者による介入が最も成功率が高い
Role of Health Care Professionals in the Success of Blood Pressure Control Interventions in Patients With Hypertension: A Meta-Analysis

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes
年月
July 2024
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開始ページ
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背景

血圧コントロール介入実施に最も適した医療従事者は。
アメリカTulane UniversityのMillsらは、100件の血圧介入試験(RCT)のデータを分析し、介入を主導した医療専門家の種類別に血圧低下を比較するメタアナリシスを行った。患者数は90,474名、比較数は116であった。

結論

平均して収縮期血圧が最も大きく低下したのは、薬剤師、地域保健従事者、および健康教育者主導の介入であった(各 -7.3、-7.1、-5.2mmHg)。拡張期血圧が最も大きく低下したのは、薬剤師、地域保健従事者主導の介入であった(各-3.9、-3.7mmHg)。
ペア比較では、薬剤師は、複数の医療専門家、看護師、医師より介入を実施する上で有意に効果を発揮した。

評価

2023年のメタアナリシスでは、看護師主導がデジタルヘルス介入による血圧コントロールに有効であるとしていた(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36929538/)が、薬剤師・看護師・医師・地域保健従事者の有効性を横断的に比較した研究は初めてとみられる。医師・看護師より薬剤師・地域保健従事者の血圧指導が有力、というアメリカ医療システムの面白い側面を浮かび上がらせた。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)