肝硬変患者の心房細動にはアピキサバン
Comparative Effectiveness and Safety of Apixaban, Rivaroxaban, and Warfarin in Patients With Cirrhosis and Atrial Fibrillation: A Nationwide Cohort Study
背景
心房細動(AF)は、肝硬変患者では一般人口より多く発生するというが、AF患者に対する抗凝固薬を評価するRCTでは、肝硬変患者は除外されている。では、肝硬変とAFを併発している患者には、どの抗凝固薬が良いのか。
アメリカBrigham and Women's HospitalのLinらは、2013〜2022年の2つの医療保険請求データ(Medicare、OptumのClinformatics Data Mart)を基に、肝硬変および新規発症の非弁膜症性AF患者約25,000名に関する、アピキサバン・リバーロキサバン・ワルファリンの有効性と安全性を比較した。
一次アウトカムは、虚血性脳卒中または全身性塞栓症、および大出血(頭蓋内または消化管)である。
結論
アピキサバンに比して、リバーロキサバン(発生率差 1,000人年あたり33.1、HR 1.47)とワルファリン(発生率差、1,000人年あたり26.1、HR 1.38)で、重大出血リスクが有意に高かった。虚血性塞栓症(脳卒中等)・全死亡率に群間差はなかった。
評価
このテーマに関する初の大規模解析である。アピキサバン選択推奨へのエビデンスを提示した。