シーシャ(水タバコ)もがんリスクを高める
Waterpipe Tobacco Smoking and Risk of Cancer Mortality
背景
紙巻きタバコの喫煙はがんリスクとして確立されているが、近年利用者が増加している水タバコはどうか? 現在まで複数のがん発症との関連が示唆されているものの、エビデンスは限定的である。
ベトナムDuy Tan UniversityのLeらは、ベトナム北部の15歳以上の参加者を追跡しているHanoi Prospective Cohort Studyのデータを用い、紙巻きタバコもしくは水タバコの喫煙と全原因死亡・各種がん特異的死亡との関連を検証した(n=39,401)。
結論
554名ががんによって死亡した。
喫煙者は非喫煙者と比してがん死亡リスクが有意に高かった(HR 1.87)。水タバコのみの喫煙者はがん死亡リスクが最も高く(2.66)、水タバコと紙巻きタバコの喫煙者(2.06)、紙巻きタバコのみの喫煙者(1.86)が続いた。がんの部位別では、水タバコのみの喫煙は、肝がん(3.92)、肺がん(3.49)、上咽頭がん(2.79)、胃がん(4.11)のリスク上昇と関連した。
1年以内に禁煙した男性と比較して、10年以上禁煙した男性では、がん死亡リスクが低かった(0.27)。
評価
水タバコには「煙が水によって濾過されているため紙巻きタバコよりも安全」という俗説もあるが、この研究では、紙巻きタバコよりも高いがん死亡リスクと関連した。
ベトナム等の国と比べると、日本ではまだ一般的でないが、リスクについての啓発は必要である。