ST上昇を検知するICM、短期安全性を確認するも一次有効性は確認できず
Implantable Cardiac Alert System for Early Recognition of ST-Segment Elevation Myocardial Infarction
背景
急性冠症候群(ACS)患者の管理にST上昇を早期感知するICMは有効・安全か。Harvard Medical SchoolのGibsonら(ALERTS)は、ACSハイリスク患者907名を対象として、これを検証するRCTを行った(対照群はアラートを不活化)。一次安全性エンドポイントはICM関連合併症の少なさ(>90%)、一次有効性エンドポイントは、心原性/説明不能死亡・心筋梗塞異常Q波出現・2時間以上Q波出現である。
結論
ICMは一次安全性エンドポイントを達成した(無合併症率96.7%)。一次有効性エンドポイントに有意差はなかった。90日以内では、ST上昇検知から施設到着までの時間を有意に短縮した。ICM使用群は陽性的中率が有意に高く、陰性的中率が有意に低かった。
評価
短期安全性を確認したが主要有効性は確認できなかった、しかし副次有効性はあった、というタイプの臨床試験結果である。コストと長期安全性がクリアされれば試用されるかもしれない。