D型慢性肝炎にはbulevirtideとペグインターフェロンα-2aの併用:MYR 204
Bulevirtide Combined with Pegylated Interferon for Chronic Hepatitis D
背景
D型慢性肝炎(CHD)にはペグインターフェロンα-2aが推奨されているが、決め手ではない。
フランスUniversite de Paris-CiteのAsselahら(MYR 204)は、174名のCHD患者を対象として、HDV・HBV侵入阻害薬bulevirtideのペグインターフェロンα-2aへの併用効果を検証する第2b相非盲検試験を行った(48週)。患者をターフェロンα-2a単独使用群・bulevirtide2用量(2mg/10mg)併用群・bulevirtide単独(10mg)使用群に割り付け、ブレビルチド10 mg+ペグインターフェロンα-2a併用とブレビルチド10 mg単剤使用の比較を主要比較とした。
一次アウトカムは、治療終了後24週時点でHDV RNAが検出限界以下であることである。
結論
ペグインターフェロンα-2aとbulevirtide併用の一次アウトカム効果を認めた。
主要比較(bulevirtide10 mg+ペグインターフェロンα-2a併用とbulevirtide単剤使用)での群間差は34パーセントポイントであった。有害事象のほとんどはグレード1/2で、頻度の高かったのは、白血球減少症・好中球減少症・血小板減少症であった。
評価
Bulevirtideはすでに単独でCHDへの一定の有効性が示されており(https://www.medicalonline.jp/review/detail?id=9258)、EMAは2020に条件付き承認したが、FDAは、リバウンドを主理由として承認を保留していた。この第2b相試験は、ペグインターフェロンとの併用で同薬の効果が増幅される事を示して、FDA承認に近づけたものである。この併用療法が、次の暫定スタンダードとなる可能性がある。