子宮内膜症の特定のサブタイプで卵巣がんリスクが高まる
Endometriosis Typology and Ovarian Cancer Risk

カテゴリー
がん、Top Journal
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
July 2024
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背景

子宮内膜症は卵巣がんのリスク上昇と関連するが、サブタイプごとの関連は十分明らかにされていない。
アメリカUniversity of UtahのBarnardらは、Utah Population Databaseのデータを用い子宮内膜症の女性(n=78,893)と子宮内膜症のない女性を1:5でマッチングしたコホートにおいて、子宮内膜症のサブタイプ(腹膜病変・卵巣子宮内膜症・深部子宮内膜症・その他)と卵巣がん(全体・I型・II型)との関連を評価した。

結論

子宮内膜症のない女性と比較して、子宮内膜症の女性では卵巣がんリスクが高く(調整HR 4.20, 1万人あたりの調整リスク差 9.90件)、I型卵巣がんでは特に高かった(7.48, 7.53件)。
また、深部子宮内膜症・卵巣子宮内膜症の女性では、卵巣がん全体(9.66, 26.71件)、I型卵巣がん(18.96, 19.57件)、II型卵巣がん(3.72, 2.42件)のリスクが特に高かった。

評価

深部子宮内膜症・卵巣子宮内膜症の女性で、卵巣がんリスクが顕著に増加することを明らかにした。
高リスク集団として、予防・スクリーニング戦略が検討される必要がある。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)