子宮内膜症の特定のサブタイプで卵巣がんリスクが高まる
Endometriosis Typology and Ovarian Cancer Risk
背景
子宮内膜症は卵巣がんのリスク上昇と関連するが、サブタイプごとの関連は十分明らかにされていない。
アメリカUniversity of UtahのBarnardらは、Utah Population Databaseのデータを用い子宮内膜症の女性(n=78,893)と子宮内膜症のない女性を1:5でマッチングしたコホートにおいて、子宮内膜症のサブタイプ(腹膜病変・卵巣子宮内膜症・深部子宮内膜症・その他)と卵巣がん(全体・I型・II型)との関連を評価した。
結論
子宮内膜症のない女性と比較して、子宮内膜症の女性では卵巣がんリスクが高く(調整HR 4.20, 1万人あたりの調整リスク差 9.90件)、I型卵巣がんでは特に高かった(7.48, 7.53件)。
また、深部子宮内膜症・卵巣子宮内膜症の女性では、卵巣がん全体(9.66, 26.71件)、I型卵巣がん(18.96, 19.57件)、II型卵巣がん(3.72, 2.42件)のリスクが特に高かった。
評価
深部子宮内膜症・卵巣子宮内膜症の女性で、卵巣がんリスクが顕著に増加することを明らかにした。
高リスク集団として、予防・スクリーニング戦略が検討される必要がある。