心筋梗塞後VFストームのアブレーション治療
Catheter Ablation of Refractory Ventricular Fibrillation Storm After Myocardial Infarction: A Multicenter Study
背景
心筋梗塞(MI)後のVF stormに対しカテーテルアブレーション治療は有効か。日本Tsukuda University(筑波大学)のKomatsuらは、MI後にVF stormを発症した患者110名に対するカテーテルアブレーション治療データを後向解析した。
結論
院内において84%のVF stormが沈静化し、死亡率は27%であった。VF発症からアブレーション治療までの時間は院内死亡率と有意に関連した(1日増当たりOR:1.11)。長期観察において1例のみVF storm再発が見られ、36%の患者が生存期間中央値2.2年で死亡した。死亡リスクは、LVEF<30%(HR:2.54)・NYHA≧III(HR:2.68)・AF既往歴(HR:3.89)・慢性腎臓病(HR:2.74)と関連した。
評価
困難な病態に対し日本が先導して行った国際パイロット研究である。虚血傷害によるトリガーゾーンを標的化した精密アブレーション介入で一定の有効性を示した。長期的生存の達成が次の課題である。