III期メラノーマでのダブラフェニブ+トラメチニブ術後治療:COMBI-AD試験の最終結果
Final Results for Adjuvant Dabrafenib plus Trametinib in Stage III Melanoma
背景
COMBI-AD試験は、根治的切除を受けたBRAF V600変異を有するIII期悪性黒色腫患者に対する術後補助療法として、ダブラフェニブ・トラメチニブ併用治療またはプラセボを比較した第3相ランダム化比較試験であり(n=870)、すでに二剤併用群で5年無再発生存率・無遠隔転移生存率などの改善を報告している(http://doi.org/10.1056/NEJMoa2005493)。
オーストラリアUniversity of Sydneyのongらは、全生存率・悪性黒色腫特異的生存率を含む、同試験の最終結果を報告した。
結論
追跡期間(中央値)は、ダブラフェニブ+トラメチニブ群で8.33年、プラセボ群で6.87年であった。
全生存率の推定値はダブラフェニブ+トラメチニブ群で優っていたが、その差は有意ではなかった(HR 0.80)。二剤併用治療のベネフィットは、BRAF V600E変異患者(n=792, HR 0.75)を含む事前指定サブグループで一貫して認められた。
無再発生存率(HR 0.52)、無遠隔転移生存率(HR 0.56)も同様にダブラフェニブ+トラメチニブ群で優った。新たな安全性シグナルは報告されなかった。
評価
再発後治療の進歩のためか、患者全体のOSについては有意差は示されなかったものの、BRAF変異サブグループを含めて、二剤併用術後補助療法のベネフィットは広く認められた。
本試験の後、免疫チェックポイント阻害薬が登場、さらに術前補助療法の開発も進んでおり、III期メラノーマにおける最善の治療が何であるかは依然重要な問題である。