HCV陽性ドナーから心・肺を移植
Heart and Lung Transplants from HCV-Infected Donors to Uninfected Recipients
背景
C型肝炎に対するDAAの登場は移植のランドスケープを変えようとしている。Brigham and Women’s HospitalのWoolleyら(DONATE HCV)は、HCV血症を認めるドナーから行った44例(肺移植38・心移植8)の移植の報告を行っている。レシピエントにはsofosbuvir-velpatasvirによる抗ウイルス療法を移植後4週間行った。一次アウトカムは、抗ウイルス療法終了後12週における持続的ウイルス学的奏効性と移植後6ヶ月におけるグラフト生着である。
結論
6ヶ月のフォローアップ完了例(35例)のうち、全症例で患者は生存、一次アウトカム効果を認めた。HCVウイルス価は移植後2週目より測定下限値以下となり、以後持続した。
評価
肺移植ではHCV陰性ドナーの場合より拒絶反応が多かったが統計的には非有意とみられた、という。移植ランドスケープを変える報告で、同様の試みが複数のセンターで進行している。他の施設からの報告、BWHからの長期結果続報が期待される。