III期メラノーマでは術後ニボルマブより術前二剤併用治療:NADINA
Neoadjuvant Nivolumab and Ipilimumab in Resectable Stage III Melanoma
背景
免疫チェックポイント阻害薬は、腫瘍が存在している状態で投与した方が効果的な免疫反応が期待できるため、術前治療でも精力的に検証が進められている。
オランダNetherlands Cancer InstituteのBlankら(NADINA)は、切除可能なIII期悪性黒色腫患者を、イピリムマブ+ニボルマブによる術前治療(2サイクル)後、部分奏効以下の患者で術後ニボルマブのグループ、またはニボルマブによる術後治療(12サイクル)のみのグループへと割り付け、無イベント生存率(EFS)を比較する第3相国際RCTを実施した(n=423)。
結論
12ヵ月EFSは術前治療群で83.7%、術後治療群で57.2%であった。
制限付き平均生存時間(RMST)の差は8.00ヵ月であった(進行・再発・死亡のハザード比 0.32)。術前治療群では59.0%が病理学的大奏効、8.0%が部分奏効、26.4%が奏効なし、2.4%で進行がみられ、4.2%で手術が行われなかった。
12ヵ月無再発生存率は、術前治療群で95.1%、術後治療群で76.1%であった。
薬物治療に関連したグレード3以上の有害事象は、術前治療群の29.7%、術後治療群の14.7%で発生した。
評価
ニボルマブとイピリムマブによる併用術前治療は、術後ニボルマブ単独と比して、イベントリスクを大幅に低減した。
術前治療で奏効がみられた患者では長期の術後治療が回避可能となり、標準治療となれば、医療費の抑制にも資する。