家庭血圧遠隔モニタリングの恩恵は、看護師によるケースマネジメントで増幅される
Home Blood Pressure Telemonitoring and Nurse Case Management in Black and Hispanic Patients With Stroke: A Randomized Clinical Trial
背景
近年、アメリカで脳卒中死亡は全体的に低下しているが、黒人およびヒスパニック系の脳卒中既往患者の再発率は白人患者に比べ依然として高い。
アメリカNew York UniversityのOgedegbeらは、ニューヨーク市の8脳卒中センターと外来診療所における、血圧コントロール不良の黒人・ヒスパニック系脳卒中既往患者450名を対象として、家庭血圧遠隔モニタリング(HBPTM)への看護師による電話でのケースマネジメント(NCM)追加の有効性を検証するRCTを行った(対照:家庭血圧遠隔モニタリングのみ)。一次アウトカムは、患者の1年後の血圧と、2年以内の脳卒中の再発である。両群の患者は家庭用血圧計で、1年間、週12回血圧を測定し、測定値はウェブベースのポータルにワイヤレスで送信され、月次レポートが医療提供者に送信された。測定値が許容範囲外になると、臨床医から患者に電話が入る。介入群の患者は、家庭血圧遠隔モニタリングに加え、訓練を受けた看護師ケースマネージャーから1年間に20回の電話カウンセリングを受けた。
結論
両群ともベースラインと比較して1年後には収縮期血圧(SBP)が大幅に低下したが、NCM介入追加の有効性を認めた(SBPの低下: -15.1 mm Hg vs. -5.8 mm Hg)。主治医のクラスタリングを調整した1年時のSBP低下の群間差は、1年時で-8.1 mm Hg(P<0.001)であった。2年後の脳卒中の再発は全体の4%で、群間差はなかった。
評価
NCMでは、看護師が患者に血圧、脳卒中の症状、血圧を下げる可能性のある生活習慣(身体活動・減量・栄養・処方薬アドヒアランス)について説明し、また、血圧遠隔モニタリングの継続を確認し、患者が訴える問題に対処した。著者らは、「家庭血圧遠隔モニタリングの恩恵は、看護師によるケースマネジメントが加わることで増幅される」としている。ただし、脳卒中再発低減効果は認められていない。