CNPの心臓作用を確定:受容体は薬理標的
C-type natriuretic peptide co-ordinates cardiac structure and function
背景
C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)が心臓にどのように作用しているかは未だ確定していない。イギリスQueen Mary University of LondonのHobbsらは、野生型および心筋細胞・上皮細胞・繊維芽細胞各特異的CNPノックアウトマウス(各cmCNP−/−・ecCNP−/−・fbCNP−/−)および全域natriuretic peptide receptorノックアウトマウス((NPR)-B−/−、NPR-C−/−)を作成し、心筋梗塞・心不全モデルにおけるCNPの機能を検討した。
結論
fbCNP−/−マウスは冠動脈拡張への反応が障害され、これはNPR-C−/−マウスでも同様であった。cmCNP−/−マウス・NPR-C−/−マウスは、野生型より梗塞範囲が広く回復機能が弱かった(ecCNP−/−マウスでは異なる)。cmCNP−/−・fbCNP−/−・NPR-C−/−マウスでは心不全時の圧負荷がより大きく、交感神経が活性化した(ecCNP−/−・NPR-B−/−では異なる)。WTマウスではこのような現象はCNP投与で改善したが、NPR-C−/−個体では改善しなかった。分子レベルで、CNP/NPR-Cシグナル伝達系は諸種の肥大・線維化経路の活性化を減弱させ、ヒト心不全では障害される。
評価
CNPの心臓作用は長く示唆されてきたが(https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0196978112004949)、三種のCNPおよび受容体の ノックアウトマウスレベル実験により、これら三種のCNPが協調的に心臓の構造・機能を保護的に制御していることを確認した。著者らは受容体作動薬の効果検証を提唱している。