CABGへの揮発性麻酔薬応用:意外な大規模検証結果
Volatile Anesthetics versus Total Intravenous Anesthesia for Cardiac Surgery
背景
デスフルラン等揮発性(吸入)麻酔薬の心保護作用が注目され、冠動脈バイバス術(CABG)への使用が提唱されている。イタリアIRCCS San Raffaele Scientific InstituteのLandoniら(MYRIAD)は、待機的CABG予定患者5,400名を対象としてこれを検証するRCTを行った。使用揮発性麻酔薬はデスフルラン・イソフルラン・セボフルランのいずれか、対照は通常の全静脈麻酔で、一次アウトカムは 1年後全死因死亡である。
結論
無益性のため試験を早期終結した。揮発性麻酔薬に一次アウトカム効果はなかった。二次アウトカムにも有害事象にも差はなかった。
評価
同著者らがパイロット試験で先導したモダリティであり(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23852263)、有効とした小規模試験のメタアナリシスもあった(http://anesthesiology.pubs.asahq.org/article.aspx)。決定的検証に至ったが、意外にも非劣性の可能性があるものの大幅な有益性が示されることはなかった。