ガイドラインの90%は「専門家の意見」レベル?
Levels of Evidence Supporting American College of Cardiology/American Heart Association and European Society of Cardiology Guidelines, 2008-2018

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
March 2019
321
開始ページ
1069

背景

ガイドラインの不順守が問題になっているが、ガイドライン自体はどの程度エビデンスに基づいているのか。Duke UniversityのFanaroffらは、ACC/AHA・ESCの51ガイドラインの推奨事項6,329件を対象とするシステマティックレビューを行い、この10年のトレンドを評価した。一次アウトカムは、レベルA推奨事項の割合である。

結論

2008〜2018年の3学会ガイドライン推奨事項のエビデンスレベルA(LOE A)率は、ACC/AHA:8.5%、ESC:14.2%であり、その傾向はこの10年間で変化していなかった。

評価

ガイドラインは、レベルAでさえ正確に記憶できる量ではない。この調査はさらに、ガイドライン推奨の90%が未だ専門家の意見に基づいていることを示した。EBMは曲がり角にきているようである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)