切除不能III期肺がん、CRT後のオシメルチニブ地固め療法で進行8割減:LAURA試験
Osimertinib after Chemoradiotherapy in Stage III EGFR-Mutated NSCLC
背景
化学放射線治療(CRT)後に進行のみられなかったIII期非小細胞肺がん(NSCLC)では、デュルバルマブによる地固め療法が有効であるが、EGFR変異のある患者では効果が乏しい。
中国Shanghai Jiao Tong UniversityのLuら(LAURA)は、切除不能なIII期EGFR変異NSCLCで、CRTで進行のみられなかった患者を、オシメルチニブまたはプラセボの投与へと2:1で割り付け、無増悪生存期間を比較する第3相国際RCTを実施した(n=216)。
結論
無増悪生存期間の中央値は、オシメルチニブ群39.1ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月と、オシメルチニブ群で大きく延長した(HR 0.16)。12ヵ月無増悪生存率はそれぞれ74%、22%であった。
全生存率の中間解析(20% maturity)では、36ヵ月生存率はオシメルチニブ群84%、プラセボ群74%と有意な差はなかった(HR 0.81)。
グレード3以上の有害事象は、オシメルチニブ群の35%、プラセボ群の12%で発生した。
評価
日本も参加した第3相試験で、CRT後のオシメルチニブにより、切除不能肺がん患者の病勢進行は劇的に減少した。OSについてはデータがmatureでなく、プラセボ群の大半がオシメルチニブにクロスオーバーしていたものの、オシメルチニブ群で良好な傾向にあった。
新しい標準治療となるだろう。