r/r多発性骨髄腫でbelantamab mafodotin三剤療法が大きな効果:DREAMM-7試験
Belantamab Mafodotin, Bortezomib, and Dexamethasone for Multiple Myeloma

カテゴリー
がん、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
June 2024
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開始ページ
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背景

多発性骨髄腫(MM)では免疫調節薬・プロテアソーム阻害薬・抗CD38モノクローナル抗体などを組み合わせた初回治療が行われるが、再発率は高く、有効な二次治療が求められている。B細胞成熟抗原(BCMA)はMMにおける有望な治療標的として浮上しており、BCMAを標的とする抗体薬物複合体belantamab mafodotinは、再発・難治MMへの単剤活性を示している。
ブラジルClinica Sao GermanoのHungriaら(DREAMM-7)は、1ライン以上の治療後に進行をみたMM患者を対象として、belantamab mafodotin+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(BVd)またはダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(DVd)を比較する第3相RCTを実施した(n=494)。

結論

無増悪生存期間(中央値)は、BVd群で36.6ヵ月、DVd群で13.4ヵ月であった(HR 0.41)。18ヵ月生存率はBVd群84%、DVd群73%であった。制限付き平均奏効持続期間(restricted mean response duration)もBVd群で優った。完全奏効以上のMRD陰性状態は、BVd群の25%、DVd群の10%で達成された。
グレード3以上の有害事象はBVd群の95%、DVd群の78%で発生した。

評価

単剤での使用を検証したDREAMM-3試験の失敗により、一度は市場撤退の憂き目を見た薬剤であるが、Vdと組み合わせた三剤併用治療は、ダラツムマブ併用治療と比較して進行リスクを半減させた。PFSや生存率の数値は、過去にこの集団で報告された最良のものの一つであり、新たな標準治療となりうる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)