r/r多発性骨髄腫でbelantamab mafodotin三剤療法が大きな効果:DREAMM-7試験
Belantamab Mafodotin, Bortezomib, and Dexamethasone for Multiple Myeloma
背景
多発性骨髄腫(MM)では免疫調節薬・プロテアソーム阻害薬・抗CD38モノクローナル抗体などを組み合わせた初回治療が行われるが、再発率は高く、有効な二次治療が求められている。B細胞成熟抗原(BCMA)はMMにおける有望な治療標的として浮上しており、BCMAを標的とする抗体薬物複合体belantamab mafodotinは、再発・難治MMへの単剤活性を示している。
ブラジルClinica Sao GermanoのHungriaら(DREAMM-7)は、1ライン以上の治療後に進行をみたMM患者を対象として、belantamab mafodotin+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(BVd)またはダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(DVd)を比較する第3相RCTを実施した(n=494)。
結論
無増悪生存期間(中央値)は、BVd群で36.6ヵ月、DVd群で13.4ヵ月であった(HR 0.41)。18ヵ月生存率はBVd群84%、DVd群73%であった。制限付き平均奏効持続期間(restricted mean response duration)もBVd群で優った。完全奏効以上のMRD陰性状態は、BVd群の25%、DVd群の10%で達成された。
グレード3以上の有害事象はBVd群の95%、DVd群の78%で発生した。
評価
単剤での使用を検証したDREAMM-3試験の失敗により、一度は市場撤退の憂き目を見た薬剤であるが、Vdと組み合わせた三剤併用治療は、ダラツムマブ併用治療と比較して進行リスクを半減させた。PFSや生存率の数値は、過去にこの集団で報告された最良のものの一つであり、新たな標準治療となりうる。