がん治療6ヵ月間の心臓突然死リスクは0.6%
Risk of Sudden Cardiac Death in Patients Undergoing Cancer Treatment
背景
がん患者では疾患そのものに加えて、治療の心毒性もあり、心血管リスクが増大すると考えられるが、治療を受けるがん患者での心臓突然死(SCD)リスクは十分に確認されていない。
アメリカUniversity of Rochester のSheraziらは、2011〜2020年に同大学でがん治療を受けた患者(n=8,356)において、がん治療の最初6ヵ月間のSCDリスク、およびSCDに関連するリスク因子を調査した。
結論
治療時の平均年齢は64歳、49%が女性であった。
6ヵ月以内に10%にあたる834名が死亡し、うち51名(6%)がSCDであった。6ヵ月累積SCD率は0.6%であった。
Cox回帰モデルでは、74歳未満の年齢、うっ血性心不全および肺がん歴は、SCDのリスク因子であった。リスク因子を複数持つ患者では6ヵ月SCD率が1.6%であり、1個以下の患者の0.5%より有意に高かった。
評価
積極的がん治療を受ける患者の6ヵ月SCDリスクは0.6%であり、リスク因子として若年、心不全、肺がん歴が示唆された。Onco-cardiologyのベースとなる疫学データである。